

いまフランスではアメリカに対し、「自由の女神を返せ!!」という声が起こっている。
原因はアメリカのトランプ大統領、プーチン・ロシアの帝国主義に寄り添ったウクライナへの侮蔑的発言が、フランス人の心情を刺激している。
帝国主義的暴力に対し、自由と民主の革命運動の家元として、小国ウクライナに加担せず、大国ロシアへの理解を示すトランプ大統領の考え方に我慢ならない。フランス人は怒っている、そのあらわれとして「自由の女神を返せ!!」という言論が登場している。


ニューヨークの入口、バッテリー・パークにある「自由の女神」はアメリカ独立100年を祝ってフランスからアメリカへ贈呈された。
セーヌ川・グルネル橋のたもとにはフランス革命100年を記念して、アメリカからフランスに返礼された「自由の女神」が建っている。
「自由の女神」は、ふたつの国に共通する建国の精神の象徴として、自由と民主主義を表す歴史的アイコンになっていた。
作者フレデリック・バルトルディの故郷コルマール………コルマールは、「ハウルの動く城」「美女と野獣」のモデルになった中世都市であり、今上陛下の婚約時代にこの町でデートを楽しんだとも伝えられている町であり、コウノトリとハートが町にあふれている。ターミナルの真ん中には元祖「自由の女神」が建てられている。

ラブホの屋上、パチンコやの入口、サウナの屋上、北軽井沢の遊園地にもあるが、客引きの目印に「自由の女神」を建てる日本人の常識はまさに世界の非常識。いざという時、「ワシントンの桜を返せ!! 」と言える日本人はいるか。
「自由の女神」は国家建設の理想と精神のシンボルなのだ。
トランプ大統領のおこないに対し、フランス人がならば「自由の女神」を返してもらおう、というのは「ごもっとも、ごもっとも」なのだ。