2018年08月09日

幸せをレイアウト出来なかった大塚久美子

幸せをレイアウト出来なかった大塚久美子

 春日部の箪笥職人から身を起こし、徹底的なオーダー、クチュール方式で高級家具のレジェンドとなった大塚家具の躍進ぶりに眼をみはった。が、目まぐるしく動く時代のなかで父大塚勝久氏と娘の大塚久美子氏との間には、のっぴきならない隙間ができ、結局娘は父を追放して、社長となった。
 傷心の父は創業の春日部にかえり、匠大塚を立ち上げ、静かに再起をはかっていた。

 無責任なメディアは、娘大塚久美子を革新の担い手として持ち上げ、メディアのスターに仕立てあげた。
 が所詮父の成功の本質を理解していなかった娘の経営力では、大塚家具の屋台骨を維持することはできず、百十億もあった資金も10億までへらしてしまった。TKPと業務提携するも経営は好転せず、ついにヨドバシカメラへの身売り話まで登場している。

 大塚久美子が父を追い出してからの企業理念は「幸せをレイアウトしよう」、父が創り出した徹底的なマン・ツー・マン方式による販売方式を棄て、耳障りのいいキャッチで経営をすすめた。所詮お嬢さん芸であることが如実にわかる。

 時代はすでに、使う、買う立場で考える「お、ねだん以上。」に移りつつあった。
 ニトリはスウェーデン発祥の世界一の家具量販店イケアを注意深く観察し、その欠点をカバーした商品企画で着々と足場をかためた。価格帯もイケアより安く、組立、配送などのサービスを充実させて、家具の世界でのユニクロをめざした。2022年には1000店売上げ1兆円をめざし、2030年には3000店舗3兆円を売り上げ目標にしている。
 こうした市場動向をまったく学ばなかったのが、大塚久美子だった。
「幸せをレイアウトしよう」にまったく心動かなかったユーザーは、ぞくぞくと「お、ねだん以上。」に押し掛けた。

 日本人のライフスタイルを徹底的に研究し、うるさいまでのマン・ツー・マン方式で、大塚家具を成功させた父親のやり方は、娘にはダサク映ったのだろうが、「幸せをレイアウトしよう」と訴えても青汁とたいして変わらないと、大衆はソッポを向いた。

posted by Kazuhiko Hoshino at 10:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする