2018年10月12日

築地の水神様、波除稲荷はどうなる?

6520cbfb0bbf36d38489b8c05c7dca62.jpg

 築地でしか見ることのないターレが、陸続として環状2号線の橋を渡っていく。
 2100台にも及ぶターレが、通行禁止の国道を橋を渡っていくさまは映画のロケのような光景である。ターレの時速はせいぜい15キロ、日常の走行速度は10キロと言われているから亀の競争のような異様なスピードではある。
 いまどきバックギャアのない自動車があるのは不思議だが、この小型特殊自動車を日本で初めてつくった会社はとっくに倒産していまはない。郵便局や駅構内、市場内で重宝がられているターレを作っているのは、スバルや三菱といったメーカーである。
 築地ではガソリン・ターレもLPG・ターレも走っていたが、こんどの豊洲では電気ターレのみ使用許可なので問屋、仲卸の皆さんは電気ターレのための出費も必要になる。

 戦後、街中には美味い寿司やは少なく、美味い寿司を食べたいときには築地の場外にかよった。学生のふところには負担が大きかったので築地へいくのは清水の舞台から飛び降りるような気分だった。のちに場内にも行くようになり、美味い寿司をいつまでもたべられるように、波除神社のすし塚にもお参りして、初めて築地の寿司詣でが完成した。
 波除神社は場外、場外にまたがっているのでこんどの引越しでどうなっているのだろうか。少し心配である。なにしろ活魚塚、アンコウ塚、海老塚、たまご塚、こんぶ塚、吉野家塚まであり、なによりも四代将軍家綱公の築地埋め立ての困難を救った波除稲荷の縁起にもとずくご神体であり、魚河岸の歴史証人でもある貴重な文化財である。
 神田明神の別社である魚河岸水神社は御霊抜きをしてとりあえず神田明神へお返ししていると聞いている。

 いまどきの役人に水神様のはなしや、波除稲荷のはなしは理解不能だろうから、豊洲にまず水神社を勧請してから開場などということは夢のまた夢かもしれないが、こうした民俗遺産こそが、貴重な観光遺産にもなるということを自覚してほしい。
posted by Kazuhiko Hoshino at 12:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする