2019年07月30日

牛乳パンはケーキである。

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 牛乳パンの噂を度々聞くようになった。
 超高級食パンの間をぬって、長野発ご当地パンの話題があちこちにでている。東京の大学に入ったデスクのお嬢さんは、牛乳パンを長野限定とは知らず、学校の近所を探し回って絶望のある日を過ごしたそうだ。牛乳パンはさほどに長野県人のソールフードになっている。

 牛乳パンのパッケージは田舎発にふさわしく、透明または半透明のビニール袋に「牛乳パン」と大きく印刷されている。大正ロマン風とか、昭和レトロの雰囲気などと理屈はつけているが、いちいち書かないと満足しないヤボな信州人にふさわしい。
 外国渡りのパンには、ひとつひとつ袋に入れて名前を書く風習はない。そもそも焼き立てのパンはすぐ食べるのがお約束なのだから。ひとつひとつ袋にいれて名前をかくパンに外国人はびっくりする。

 牛乳パンの名前から間にはさまれたクリームに牛乳が入っていると勘違いしている人が多いが、実は牛乳はパン生地に入っている。パン生地を作るのに牛乳でこねるので、牛乳パンなのだ。ヤマザキとヤツレンの牛乳パンには、湯捏ね牛乳入りとかかれている。
 牛乳パンのパン生地は、まず座布団ほどの大きなパンを焼く、ふわふわの生地を上下にわけてホワイト・クリームをしっかりとのせ、しかるのち四角または三角に切り分ける。そしてタイトル付きの袋にいれる。すべて手仕事なので、数量に限度があり、それぞれのご当地パンが生まれる。

 松本には大正10年創業の小松、小布施の岩崎、岩村田のキキョーヤ、佐久の田村屋などご当地パンの担い手である。こうしたささやかなご当地パンの世界に、パスコやらヤマザキやらの大メーカーが参入するのはルール違反といえよう。企業モラルの欠落としか思えない。田舎のパンは田舎に任せる度量が欲しい。

 牛乳パンはとても美味しい。パンというよりケーキである。色付きのデコったケーキより、はるかに美味しく体にやさしい。
 なによりも「インスタ映えしない」ところがイチバンいい。

posted by Kazuhiko Hoshino at 17:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする