2019年08月12日

夏グルメ・駒形どぜう

駒形どぜう.jpg

 うなぎに満足すると、どぜうを思い出す。
 浅草には飯田屋と駒形どぜう二軒のどぜうやがあるが、足が向くのは駒形のほうだ。
 駒形には隅田川の川風がふいているような気がする。入り口の大柳がいつも揺れているせいかもしれない。
 駒形どぜうは1801年創業以来3度の火事にあっている。文化の大火、関東大震災、そして東京大空襲……その度ごとに火災の前の姿を忠実にたどって再建してきた。表の大路に面した二階には窓がなくメクラにしているのがその印、江戸の頃は大名を上から覗いたら、即座に斬捨て御免といったお触れにそった造りなのだ。

 壱・丸を商うべし(開くのは切腹を連想させ武士に嫌われた)
 弐・暖簾を表に出すな(入口の暖簾のことではなく、支店を出すなの意)
 参・武道をするべからず(商いに徹せよの意)
 初代越後屋助七のさだめたこの三訓が代々の店に伝わり、令和の今日まで続いてきた。が中には横紙破りもいて、3代目は鯨料理をだし、6代目は渋谷に支店をだしてしまった。7代目がそれまで「どぢゃう」と4文字だったのは縁起が悪いと「どぜう」に統一し、今日の「駒形どぜう」のイメージが確立した。

 みっちりとどぜうのまんまが敷き詰められた鉄の浅鍋が目の前に登場したら、まず江戸名物新宿ねぎをこぼれるほどに盛る。どぜうとねぎの相性は誠に良い。
 だしは味噌と水のみ、ちくま味噌の江戸甘味噌は創業以来のもの、今日では祖母の実家京都の本田味噌の赤辛味噌を一割ほどブレンドしているそうだ。
 くつくつと出汁が煮立ってきたら、仕上げは地元やげん堀の七味、江戸っ子のどぜう鍋が仕上がる。
 酷暑を乗り切る最高の江戸グルメと信じている。



posted by Kazuhiko Hoshino at 08:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする