2020年02月10日

通貨から媚薬・愛になったチョコレート

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 新型コロナウィルス/武漢/ダイアモンド・プリンセス号/マスク品切れ/等など、立春大吉の話題としてこんなに不愉快なものはない。
 まもなくやって来るヴァレンタインのチヨコレートのことでも考えた方が少し救われるかもしれない。

 古代メキシコではチョコレートは「神様のたべもの」といわれていた。それほど高価で貴重なものだったということだろう。
紀元前1000年頃、カカオ豆はお金であったといわれ、通貨として流通していたそうだ。
 16世紀にはアステカの皇帝モンテスマが「恋の媚薬」と信じ、ハーレムに行く前には必ず浴びるほど飲んだと伝えられる。チョコレートは「通貨から媚薬へ」と変わった。日本でも長崎出島において、寄合町の遊女大和路がオランダ人から「しょくらとを」をプレゼントされたという記録がある。
 欧米では上流階級が集まるチョコレート・ハウスがロンドンに生まれ、ルイ14世がマリーテレーズを妃にしたことでパリの社交界を一気に席巻したのがチョコレートだったといわれる。
 このチョコレートをフランスで初めて味わったのが、岩倉具視欧米視察団だったと文献に登場している。

 大正期このチョコレートを愛し、毎朝クロアッサンとともに楽しんでいたのが、かの永井荷風だった。
 ふらんす物語のある荷風は目覚めると「床のうちにて一椀のショコラをすすり、一片のクロワサンを食す」と日記断腸亭日乗に記されている。そのショコラはフランス製のものを取り寄せ「その味何となく仏蘭西に在りし時のことをおもいださしめるなり」とあるから、多分ショコラ・ショーを愛飲していたのではなかろうか。

 「飲むチョコレート」はオランダのヴァンホーテン一族により、「食べるチョコレート」はスイスのロドルフ・リンツにより、「愛のチョコレート」は神戸のモロゾフにより始まったと言われている。
 パリには、ヴァレンタインの日は愛の告白文で紙上をいっぱいにする新聞がある。
posted by Kazuhiko Hoshino at 16:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする