
この夏、ソニーが満を持して打ち出そうとしていた「レオンポケット」が行場をなくしている。
レオンポケットって何? と思われる方も多いとおもわれるが、要は「瞬冷冷却服」、つまり日本の異常高温の夏を乗り切る切り札になるはずだった冷却システムのついた服のことだ。
五輪観戦時の熱夏を避ける救世主になる予定であり、ウオークマン以来ソニーの名声をふたたび世界中に知らしめる絶好の機会ととらえていた。
ファンを使った空冷式の冷却装置は昨年の夏圧倒的な話題をひろったが、ソニーの仕掛けるのは、スマホで温度調節できる冷却デバイスを使った「レオンポケット」だ。
電圧をかけると熱が移動するペルチェ素子を使い、首元を直接冷やす仕組みで、バッテリーが持つ限り冷たさがへたる心配はない。専用のインナーに装着すれば目立たずに着用できるのも魅力、五輪観客や夏のサラリーマン待望の商品だったが、武漢コロナのお蔭で商機をいっしたというところか。
ワークマン、ミズノはファン付作業着、デサントはフロントファスナーを開けたままでも冷却効果をえられる「デサント・クールJAC」、アオキは「クーラー・ベスト」と各社夏の高温対策にのりだしているが、みな一様にオリンピックの腰折れで生産調整、宣伝調整にはいっていると聞く。
日本の夏を変えると頑張っていたソニー、果たして来年の夏まで在庫がもつか、その辺が心配である。
「レオンポケット」ガンバレなのだ。