
渡航制限が続くコロナのさなか、中国の技能実習生の命を救うため日中の医療関係者が国境を越えて協力した、という美談が報道された。
中日新聞、東京新聞、NHK、フジTV などのメディアが主役である。
この場合の医療とは「心臓移植」という臓器にかかわることであった。ここ数年臓器移植にかかわる中国の医療ビジネスは世界中から疑惑の眼が向けられている。なぜなら臓器提供の実数と、中国の人口、受刑者など臓器提供ににかかわる人の実数に差がありすぎるのだ。
日本での臓器医療待機時間は平均3年はかかるが、中国武漢では一か月から2か月、欧米先進国とくらべても何倍も早いという現実がある。
医療ジャーナリストの伊藤純也氏は「武漢は待機時間が非常に短い。数か月で移植できる」と説明し、「何故そこまで早く受けれられるのか」という質問にたいして「日本とは制度が違う、人口も多い、考え方も違う」とコメントしている。
多数の証拠を集め、それらを検証して人道犯罪を裁くロンドン民衆法廷は、2019年6月に 「武漢に於ける臓器移植手術は、囚人からの強制収奪、少数民族新疆ウィグル人等からの非人道的な「臓器摘出」が相当程度行われているという裁定」をくだした。いまでは少数民族以外にも法輪功学習者や香港反政府主義者など、次々と臓器ビジネスの対象者になっているという噂がたえない。
こうした疑問、実態にかかわる情報を知りながら、美談にすりかえているこの国のメディア関係者がなんと多いことか、我々自身の問題として考える必要があるだろう。