2021年01月03日

正月は女酒

舞妓のお酌.jpg

 正月のご挨拶が済むと、大きな朱漆の盃でお屠蘇をいただき、初めてお重を開く。そんな嬉しさもコロナとともに何処かへいってしまった。
 古女房の顔を見ながら、クロネコのお蔭で手元に届いた祇園川上さん心尽くしのお重をいただく。雑煮は銀閣寺なかひがしさんからの白味噌である。丸餅は軽井沢のスーパーにはない。友人の愛息の嫁の実家から送られてきた今治の丸餅が実に美味しかった。金沢浅田屋の雑煮も小伝馬町の親分から届いた。
 正月は友人の好意にあまえて過ごす、贅沢な難民のような日々であった。
 コロナのお蔭で親戚の娘もあらわれず、近くに住む少女も受験とやらで姿をみせない。恒例の歌舞伎中継と箱根マラソンで無為に過ごした。

 普段は飲まないSAKEだが、正月となるとなんとなく飲みたくなる。
 一陽来復の願いか、悪疫退散の祈りか、日本酒には昔からの呪術がこめられているような気がする。この気持ちはワイン党やらシャンパン党にはわかるまい。
 正月料理には灘の男酒より、伏見の女酒が似合う。なめらかできめの細かさが、絹のきものに袖を通した女性を思わせ、ナイーブな優しさが伝わる。

 京都北山には「初日の出」なる銘酒がある。岩手には「七福神」がある。静岡の「開運」、茨城の「宝船」、金沢の「吉祥加賀鳶」、それぞれに工夫を重ね、正月の気分に合わせた酒があるのが幸せだ。

 パリのベルニサージュでも一番人気は日本酒、共に置いてあるワインよりシャンパンよりも、パリジェンヌ達の手は金粉入り賀茂鶴にむかった。
 男酒・女酒の存在になにより興味をしめしたのは、フランス人だった。
posted by Kazuhiko Hoshino at 16:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする