2021年01月09日

初春芝居の菊五郎劇団

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 初春狂言のお楽しみは、国立劇場の菊五郎劇団に限る。
 女郎屋の床の間に飾れしは「アマビエ様」、ソーシャル・ディスタンスのお酌は長い棒の先についた湯桶から、興が乗って踊りだしたらNiziUの縄跳びダンス、とお約束の遊び満載、Uberイーツのピザ配達まで飛び出して、冷え切った正月を沸かせてくれた。「四天王御江戸鏑」。
 本科にもどれば文化12年からのお土砂、音羽屋のお家芸土蜘蛛の糸が舞い、なんとも文化文政の歌舞伎の楽しさを満喫させてくれた。

 渡辺綱と鳶頭の綱五郎を演じ分ける菊五郎さん、女郎花咲と土蜘蛛の精の菊之助さん、茨木婆の時蔵、近頃貫禄のでてきた團蔵、洒脱な味の秀調さん等、菊五郎劇団の面々も手慣れた正月狂言だった。

 コロナのお蔭で客席は一人置き、ロビーの獅子舞もなく、恒例フィナーレの手拭投げもなかった。威勢のいい掛け声もきかれず、正月の芝居見物として拍子抜けはまぬがれなかった。芝居小屋はお客様がいっぱいはいってこその劇場、一人置きのソーシャルディスタンスとは、まったく相いれない。
 役者衆もさぞかしやりにくかったことであろう。いっこくも早い正常な社会への回帰がまたれる。

 世間ではコロナ以前とコロナ以後と無責任なことをいっているが、悪病は何時の時代もあったもの、それを乗り越え時を超えて生きてきたのが
劇場文化なのだから、困難の時を生かし、新しい狂言の工夫をして生き抜いて欲しいものである。
posted by Kazuhiko Hoshino at 15:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする