2017年10月07日

小さい秋が見つからない

小さい秋が見つからない

 中田喜直先生の名曲に「ちいさい秋みつけた」という小品がある。
 〽誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた / ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
 という繰り返しに始まるサトウハチローの詩によるかわいい童謡だ。
 わずかに兆し始めた秋のかけらを見つけ、その秋に対する思いをそっと歌った名曲であり、かっての日本人の心のかたすみにあった秋という季節への讃美歌でもある。

 縁あってこの「ちいさい秋みつけた」を映像化しなければならないことになった。
 第1集では、軽井沢の白鳥の湖と言われてきた、雲場の池の色ずいた紅葉を素材にした。さいわいセレクト版を作ることとなり、「ちいさい秋」を再撮影することになった。楽曲の3番ではこう歌っている。
 〽むかしむかしの 風見の鳥の / ぼやけたとさかに はぜの葉ひとつ 
 やはり「はぜの葉」を見つけるしかない。軽井沢ならいくらでもあると思い、撮影に出かけて驚いた。森から森につながる別荘地にはまったく見当たらない。
 いちばん先にちいさな秋をみせるはぜの木はすっかり嫌われてしまっていた。紅葉の大きな秋はあちこちにあるが、ひっそりとちいさな秋をみせるはぜの木が見つからない。

 ちいさな秋を探して何日か費やしたあと、そうだ峰の茶屋のむこうの浅間山と対峙する六里ヶ原へ行けば、と思い立ちようやくはぜの葉の見事な紅葉と出会うことができた。
 迷惑な猿にくらべ、庭の片隅に寄生するはぜの葉など、秋のさきがけとしてとても可愛いと思うが、かぶれたらのママ・クレーマーの声に植木屋さんも従わざるを得ないという現実があった。
 
posted by Kazuhiko Hoshino at 11:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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