2019年01月19日

ちかごろ「新井賞」が話題に

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 芥川賞・直木賞2018が目出度くきまった。
 いまや文学賞の古典として位置ずけられるふたつの賞だが、このふたつの賞作品が売れるとおもってはいけない位出版界は暗黒の時代を迎えている。
 時代は本を読まなくなった。文学よさようなら、漫画よこんにちは。

 かって通勤電車は本を読む人々の風景に充ちていた。
 心をよせる彼女は何を読んでいるのだろう、ひそかに車中を移動し、つり革に身を預けてのぞきこんだものだ。お決まりの夏目漱石でホッとし、谷崎潤一郎では意外な彼女の成熟を感じ、ドキリとして遠ざかったりしたものだ。
 近頃の車中では、スマホを見つめている人がほとんど。なかには忙しそうに指を動かしている人もいるが、大部分の人はじっと画面をみつめやがてスライドし、ふたたびじっとみつめている。多分漫画でも見ているのだろう。漫画だけが紙でも電子でも売れているそうだ。
 レシーバーを耳に、マスクを口と鼻に、そして眼はスマホに、いったいこの若者に明日はありや、そんなに環境を遮断してどうする、もうすこし社会に環境に近隣に興味をもったほうが面白いよ、といいたくなる。電気で送られてくる情報はアットいうまに拡散し、消滅してしまうものだと言いたくなる。

 いまいちばん売れる本、売りたい本、をキャッチにかかげて2004年からスタートしたのが、「本屋大賞」だった。全国新刊書を扱う書店の店員さんによる投票で本屋大賞だけでなく、発掘部門、翻訳小説部門、ノンフィクション部門と裾を広げて始めたのには、売らんかな本屋根性丸出しのイヤラシサがみえた。

 おなじ本屋ならば、三省堂神保町本店で働く「新井美枝香」さんの始めた「新井賞」のほうが面白い。
 読書マニュアである普通の女子の新井さんのお気に入り、それが「新井賞」であって、三省堂の本店には平積みのコーナーがある。去年は三浦しをんの「ののはな通信」だったが、今年ははるな檸檬さんの「ダルちゃん❶❷」が選ばれた。漫画も小説もジャンルがないというところが面白く、新井さんは独身でテレビもなく、下駄箱のなかまで本だらけ、忙しい時はネットカフェで本を読むというツワモノである。

posted by Kazuhiko Hoshino at 14:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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