2019年09月25日

海に生きた安曇族のお船祭り

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 安曇野に穂高神社がある。
 穂高神社は安曇野一帯にすみついた安曇族の守り神であると同時に、上高地から北アルプス穂高岳山頂に至る一帯の守護神でもある。安曇族はもとは北九州にすみし、海洋民族だったという説があり、今に残る習俗には興味深い海のものがたりが多い。

 9月26、27日におこなわれる「お船まつり」もそのひとつだ。全長12.3mの男腹、女腹の大小5艘の船が出て、壮絶なぶつけ合いをする。
船の帆先には何十枚のキモノが飾られ、中央部には等身大の穂高人形と舞台がかざられている。大海の大波に耐えられるほどの背の高い山車である。
 その昔、朝鮮半島百済救援のドキュメントが、祭の本行ときいては、気の遠くなるような歴史絵巻なのだ。海神に仕えたわだつみ族の子孫が安曇族と聞かされても、どこをどう通ってこの北アルプスの麓にたどりついたのか、頭のなかのハテナ・マークは消えない。

 穂高神社の奥宮は、上高地明神池のほとり、河童橋から4キロ程歩いたところ、山小屋のレジェンドである嘉門次小屋のすぐ側に奥社はある。
10月8日の明神池には雅楽が流れ、北アルプスの伏流水をあつめた水面に、平安絵巻のような龍頭鶏首に飾られたお船が行く。お船神事である。
 平安装束の神職たちはお船に立ち、一の池二の池をまわって、四海平穏と山神無事を祈り、邪鬼を払って祭りは終わる。
 北アルプスの山懐でこうしたお船神事があることで、マイ・脳ミソは安曇族にまつわる伝承を信じざるをえなくなるのだ。

 そして穂高神社にまつわるロマンは果てしなく続く。奥宮のその更に奥に峯宮がある。なんと海抜3190メートルの奥穂高岳山頂に峯宮が鎮座している。日本の屋根、北アルプスの頂点をも神域にしているのが穂高神社なのだ。

 里宮の境内を支配しているのは色とりどりのニワトリ達。黒、赤、緑、烏骨鶏も混ざって彩ゆたかなニワトリ達が悠然と境内をあるいている。
古事記に書かれた天の岩戸の情景がそこにある。
 鳥居をでれば、この世のものとは思われない名店「小笠原わさび店」のワサビ漬が待っている。

posted by Kazuhiko Hoshino at 16:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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