2019年11月21日

「悪魔のおにぎり」に戸惑う

悪魔のお握り.jpg

 不覚にもこうしたものが売り出されていることをしらなかった。
 今日のお昼のメニュー何かありますか? と問われ、何もないと答えたところ、差し出されたのがこれだった。
 やみつき注意!! 「悪魔のおにぎり」 天かすと青のり入りめんつゆ混ぜご飯 悪魔的なうまさ のひとつと、新発売! 焼肉のたれでやみつき注意!1 「悪魔のおにぎり」 牛そぼろ、卵そぼろ、刻みのり、白ごま、焼肉のたれ入り混ぜご飯であった。
 コンビニのお握りの進化についてはかねがね話題になっているので、さらに美食の罪の方向にむかっていると合点して口にしたところ、このお握りはまったく方向の違うお握りであった。

 コンビニというアメリカの業態から始まった店に、しっかりと「おにぎり」がいずわったのは奇跡かもしれない。コンビニ各社それぞれにこだわって宣伝にはげんだ。まず始まりは「米じまん」、負けてたまるかとばかり「海苔じまん」、ついに新フックラ包みなど「包み方自慢」にいたった。具の変化も鮭の定番から明太子になり、いまでは複合的具自慢になっている。 「手巻きつなマヨネーズ」「具たっぷり牛カルピ」「いぶり焼き肉巻き」「熟成仕立て紀州南高梅」などなど、母のにぎった梅にぎり、塩むすびしか知らない世代はうろたえるのだ。

 その上、お握りに悪魔が登場するとは、対応にとまどうばかり。
 我々の悪魔はドイツ伝承のあのファウストに登場する魂の狩人にほかならない。魂と引き換えに果てしない知識と現世の幸せをくれるあの悪魔である。芥川龍之介には「煙草と悪魔」という喫煙をもちこんだ悪魔のはなしがあるし、タロットカードにも欲望に忠実な悪魔がいる。悪魔の美しさはいつも淫らな存在にあった。

 お握りの悪魔はさほど文学的でもないし、美食の罪にとわれるほどのものでもない。単なるコピーの遊びにしては重すぎる。更によく見ると、HIKAKIN & SEIKINの文字とふたりのサングラス・スタイルが印刷されている。
 このふたりがそれほどの存在と、知らなかった自分に恥いったお握りであった。 
posted by Kazuhiko Hoshino at 17:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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