2019年12月14日

歌舞伎・風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ.jpg 
 歌舞伎「風の谷のナウシカ」を見た。
 この作品には、壮大なとか、かってないスケールとか、の装飾語がみだれとんでいた。
 が観客は漫画の追体験がしたくて新橋演舞場に足を運んでいるわけではない。舞台という様式のなかで、戯曲として完結していなければ困るのだ。
 永年温めてきた尾上菊之助さんの情熱は判るのだが、残念ながらスタッフにその力量が欠けていた。

 脚本の丹羽圭子と戸部和久がまず第一の犯人、ナウシカも敵対する人々も人間が描けていない、行動だけをおっかけるのは漫画の欠点だが、そのドツボにはまり、目の前のスペクタクルからスペクタクルに眼を奪われ、めくり紙芝居のような浅い作品になっているのだ。
 演出のG2も仕事が荒い。下座音楽をコケ脅かしのごとく大音量で乱用し、さらに録音した映画音楽とダブらせるなど、音楽それぞれにたいする認識が滅茶苦茶なのだ。
 美術についても各国の環境について特徴ある差異がなければ観客は混乱する。どうしても説明できなければプロセニアムにスーパーを出してもいい。さらに擬人化しているキャラクターと縫いぐるみがゴチャマゼなので、作品が安っぽくなる。

 役者衆はそれぞれに努力してつとめているのだが、接着剤になるべき舞台展開や脚本が薄いので、消化不良をおこした新作歌舞伎であった。
 菊之助さんは怪我したにもかかわらず、なにごともなかったように舞台を務め、ご苦労様であった。
posted by Kazuhiko Hoshino at 13:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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