2019年12月24日

働き方改革のいま昔

スタディオ録音風景.jpg 

テレビの音楽番組を制作するとき、伴奏のカラオケをレコード会社からかりてきて、そのテープを流して歌手が生で歌う…それが現在の音楽番組のスタンダードだが、かっては番組の差別化を図るため、その番組ならではの伴奏を新たにつくり、スタジオに持ち込むことが多かった。
 弦楽器を大量にふやしたり、ハープをもちこんで装飾音をふやしたり、サックスでお洒落にスイングしたり、番組なりの個性をうちだす。フルバンドにクラシックの奏者を加えて贅沢な音を創ることなど、日常的な作業だった。

 そうした伴奏の録音作業で問題を起こすのは、ままクラシックの演奏者に多かった。3時間の基本契約で集められたメンバーだが、自分の演奏ミスで録音時間が10分延びてもさっさと楽器をしまって帰ろうとする。編曲をした指揮者も、ともに演奏しているポップスのメンバーも唖然とする。要するに演奏者としての責任感が欠落している。意識にあるのは3時間という契約時間だけで、完璧な演奏をするという責任感に欠けるのだ。クラシックという保守的な音楽にたずさわっている音楽家に、そうした傾向が多いというのは実に不思議な体験だった。

 最近の働き方改革から仄聞すると、かっての体験がよみがえる。
新入社員の責任感のなさは恐るべきものがあると、伝えられる。会議ではメモをとらない、メモをとれというとパワハラだと開き直る。聞き流すので、議題の目的や意図を理解できていない。当然のごとく仕事の優先順位もわからないし、作業にやたら時間がかかる。仕事には内容と同時にスピード、つまり時間という責任もあるということがわからない。まわりに迷惑をかけ、みずからの居場所を失って結局辞めていく破目になる。
 最新のデータによると、一年以内に31%、さらに3年以内に13%、5年たつと50%の社員が退職していく。その多くが非正規雇用やプータローになるという悲しい現実の働き方改革だといわれている。
posted by Kazuhiko Hoshino at 12:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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