2019年12月27日

パリ・オペラの新作「蝶々夫人」

オペラ蝶々夫人.jpg

 パリの友人から分厚い届け物があった。
 今シーズンのオペラ座バスティーユに於ける「蝶々夫人」のプログラムだ。彼女の手紙には、予想とは違った演出だったが、芸術の都パリの寛大さを感じた、とあったので、どんな蝶々夫人かと期待しつつプログラムをひらいた。
 全く想像だにしなかった舞台写真が登場した。

 蝶々さんは白い直線裁ちの布を唐様式にアレンジした衣裳、カツラはつぶし島田をさらに四角く構成した髪型、侍女たちもみな白い直線裁ちの衣裳にお蔵の形のしろい帽子をかぶせて、カツラいらず、ピンカートンもピークド・ラベルのついた白いロング・コート……マニマルな衣裳デザインにまず驚ろかされた。構成主義的な背景で展開された蝶々夫人は、東京では見られない感動と喜びにみちた作品であったろうと想像できた。
 バスティーユにおけるパリ・オペラは、いつも大胆でその前衛性にゆさぶられるが、蝶々夫人もまた新しい解釈につつまれて誕生したことだろう。

 昨年の末はパリ中、イエロウベストの波に洗われ、ことしは大規模なストライキが展開されているが、こうしてこの国の人々は自由の権利をえてきたんだと肌でかんじています、と結ばれていたが、いつもシャンゼリゼーのイルミネーションだけに感激して帰ってくる観光客とは違う彼女の手紙に心洗われた。

 かってサンジェルマンの大学で年末のパーティを楽しんだこともあったが、キャンドルだけが贅沢にかざられ、それ以外は質素なパーティだった。安いシャンパンで乾杯をし、冷たい鶏肉を齧り、ノイズ付きのレコードで踊り、最後はセーヌの岸辺にパーティ船を見に行って終った、パリの師走を思い出した。
posted by Kazuhiko Hoshino at 17:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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