2020年06月07日

パリの美術館全作品の画像解放

パリ画題.png

 いまひどく神経質なのが著作権というお化けだ。
 この国ではあらゆるジャンルに先駆けて、音楽著作権が確立した。かっては映画スターという種族が豪壮な家に住んでいたが、いまでは音楽著作権に保護されている人々がみな裕福な生活を営んでいる。
 本も売れなくなったので、作家という人たちがもっている文芸著作権もさほどではなくなった。

 ましてや演出著作権などというものはほとんど存在しない。芝居、ミュージカル、オペラ、ショウ、テレビなどずいぶん多くの作品にかかわってきたが、律儀に上演著作権料を送ってきてくれたのは、ジャニーズ、ナベプロ位のものだった。概してポップス系の人の方が正直で、クラシック系の人には著作権無視のひとが多かった。一時、アメリカが音頭をとって、ビジネス・モデルまで著作権を設定しようという動きがあったが、後進国の浮沈にかかわるというのでうやむやになっている。

 パリ市内に14の美術館を持つ、PARIS MUSE'ESという公的な美術運営団体が、ことしから14の美術館がもつ作品10万点のデジタル映像を自由に使用していいという方針をうちだした。美術館、美術展の撮影禁止がなくなったのだ。
 日本では馬鹿の一つ覚えのごとく「撮影禁止」が横行しているが、彫刻や立体作品などで、はてなんで撮影禁止と首をかしげるような場面にまま遭遇した。この件については、さすがアートの国フランスであると感心する。
 映像でも広告でも下手な絵やイラストに支配されるより、評価のある作品が登場したほうが、いいにきまっている。
 ルーブルの廊下でも模写や摸刻に励んでいる美術学生がいるが、立入禁止というよりははるかに明日の芸術家を育てている、といった気分が伝わる。すべては人真似から始まるのだ。
posted by Kazuhiko Hoshino at 15:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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