
東京駅グランスタがとんでもないことになった。コロナの間の苦戦が夢のよう。キャッチコピー風にいえば「東京駅がまるごと美味しくなった」ここまで揃うと、周辺のグルメ街は太刀打ちできない。とかくエキナカにも出店しました、のレベルを越えて、さあ、東京の美味いもんは東京駅にこい、といった真剣勝負に出た印象である。
まず食事処は完璧と言いたいほど揃っている。
洋食の王道・東洋軒に始まり、近畿大学水産研究所・はなれのマグロや、肉卸小島のステーキ、和食なら田中田式海鮮食堂、中村屋のカレー、おにぎり、ラーメンまでほとんどの食が腕をならして待ち構えている。
土産物も本場パリ・ラデュレのフィナンシェ、メタルボックス入りの四種のサブレ、からマルコニーニのチョコレート、ガトーフェスタハラダのグーテ・デ・ロア、帝国ホテルのプティ・ガルガンチュワではミニサイズのアップル・パイ、鎌倉発祥のメゾン・カカオからアロマ生チョコ、雑貨は奈良の中川政七商店を始め全国の個性が集合している。
エキナカ・マーケットについてはここ拾年いろいろに話題をひろげてきたが、東京駅のグランスタにおいてひとつの頂点をむかえたともいえよう。店舗構成にしてもインテリアにしても商品にしても手をぬいたところがない。デパートの食品街もひけをとるほどなのだ。
数年前、子供をつれて東京駅に遊びにいってきました、という軽井沢の若いお母さんに驚いたことがあったが、いまやそれがリアルになったのかもしれない。